母親へのケアも忘れずに

新生児の看護ケアにおいて必要なことは、異常の早期発見に尽きるでしょう。新生児は、生きていくために必要な、呼吸をはじめとする機能が不安定であることが多いです。看護ケアを担当する看護師は、その状態を逐次確認し、異常があればすぐに対応しなければいけません。出生したばかりの新生児にとって、外の世界はこれまで成長してきた胎内の環境とは大きく異なります。そこで看護師は、新生児がその変化に対応できるようにサポートする必要があるのです。

確認しなくてはいけないポイントは、呼吸の状態や体温などが中心となります。新生児の呼吸として正常な範囲であれば問題ありませんが、1分間に20回以下、もしくは60回以上であると呼吸異常が疑われるでしょう。また、体温調節機能もまだまだ未熟なので、低体温症に気をつけなければいけません。新生児の適正な体温は皮膚温で37度程度とされているため、それより低い場合は着衣や保温器などで加温と保温する必要があります。

そして、新生児と同時に母親のケアも重要です。特に初産である場合は、母親も初めての経験に不安を感じやすくなります。看護師は、母親に寄り添って不安に耳を傾け、適切な母子関係を築けるよう最大限の配慮をすることが求められるのです。この母親へのアプローチは、新生児の看護ケアにおいて見落としやすいポイントだけに、現場で働く看護師の意識が大切となってきます。大人だからと後回しにせず、母親のケアにも気を配る必要があるのです。